狂気と犯罪―なぜ日本は世界一の精神病国家になったのか
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定価 : ¥ 840
販売元 : 講談社
発売日 : 2005-01 |
価格:¥ 840
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主題についての歴史的分析から、全体にとても良く書かれている。高校生、大学教養課程の学生にぜひ読ませたい。
1 気合が入っており、学術書よりもジャーナリズム的な読後感あり。
2 他人種での疾病発生頻度から、日本人での発生率を他因子を考慮して類推する手法は、各種疾患でよく用いられる。一概に切って捨てるのはおかしい。文科系の人にこのような傾向がたまに見られる。
3 分析、記述、批判だけで終わらずに、最後にこの問題についての建設的な解決法の提言があればよかったと思う。惜しい。
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江戸から東京へ時代が変わるとともに同じく変わった刑法。
それは“犯罪”という実体がなくなって“犯罪者の性格”という
曖昧が残ったのだ。
「狂気を監禁する社会」の変遷を読み進めながら思ったことは、
これは同様に“社会”という実体がなくなって、“世間”という
曖昧が残ったということだろうか、と。
以前は世間イコール社会ではなかった。抽象と実体がまだ乖離
していた。情報や文明が発達するにつれ、世間と社会は一分の隙
もなく重なっていく。
清浄で美しく住みやすい社会に異常なるものは、いらない、と。
文明化された社会は脆い。たった数人の人間が高速道路を逆走
したり、電車に飛び込んだら、もう終わる。ここに住む社会の全員の
総意がないと、成り立たないのだ。だから、「文明」はすぐに反転して
全体主義の悪夢に位相する。
「触法精神障害者」という「精神障害者」の中でも鬼子のような
存在はいたのではなく、作られたのだ。排除対象として。
「犯罪者の性格」(精神鑑定)や「世間」(当事者意識)という、
実体のないわけのわからない武器をもった私達は「どっちにせよ、
わからない」「どっちにせよ、許せない」というたった一言で
何者かを殺している。
自分でその武器をふりまわしていることもわからずにだ。
監禁された不可視な者達にその武器は遠慮なくふりおろされる。
そして循環する。
これが私たちが今選んでいる一分の隙もない“現実の社会”と
“妄想の世間”だ。
この本は39条をテーマにしているが、それを通して私が住む社
会と世間の土台のようなものを考えさせられた。この社会と世間
の土台をまず見なくては、自分がどうふるまえばいいのかはわか
らない。どうすればいいかということがわかる本が良い本という
定義なら、それはわからないが、私は大変反省させられた本です。
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〜「狂気と犯罪」。いかにも売れそうなタイトル。時代に沿った内容を期待して読んだ。確かに、精神障害者と犯罪問題のアプローチとして、家庭環境や社会状況という切り口ではなく、歴史的史実を持ってきたことは画期的。だが、精神病院の歴史について、歴史的史実を消化しきれずに、持論に都合のよいような書き方をしているのが気になった。私自身、精神病院史〜〜の調査をしているが、近代において、私立の精神病院が果たした役割は、この筆者が書くような金儲け主義ではなかったはずだ。資料的裏付けがなされないまま、いくつかの問題提示がなされ、その都度、官のふがいなさをあおっているが、起承転結の「起承転」のみで、結論がなく、結局、何がいいたいのかわからなかった。参考資料の乏しさも気になる。〜
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『諸君!』で評論家・宮崎哲弥が一月のベスト新書に選んだ本。ミシェル・フーコーに影響を受けた研究者の手による日本版『狂気の歴史』といった内容。文章もとても読みやすく、また狂気の現在を生み出した歴史的な記述は説得力がある。法の世界における狂気と、社会における狂気、そして両者の関係についてダイナミックな分析がなされている。刑法39条の問題など、昨今の精神障害をめぐる問題を考える上でも参考になる。確かにお薦めの本だ。
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この本では、最近マスコミを頻繁に登場する「精神異常者」「精神鑑定」について分析されているが、そのアプローチが非常に興味深い。
専門書はともかくとして、一般向けに出版される本のほとんどが、教育問題や世相等からの原因による精神障害者の犯罪といった捉え方が多く、その考え方にもなるほとと思う部分もないわけではないが、あまりに画一的で納得できるものではなかった。ある意味、うさんくささを感じることもある。
がこの本の筆者は、歴史に目をむけ、そこから刑罰、裁判の考え方、そして精神病患者の定義を考察していく。「このような犯罪を行なったおまえは何者なのか」という問いかけに明治政府の政策が結びついて、現在の精神病院のあり方がきまったという意見には目をみはるものがあった。
最近の精神障害者の犯罪についての評論家の意見に飽きた人、また心理学に興味がある人でなく、歴史好きな人にも是非ご一読をお勧めする。文体も平易で私みたいな素人にもわかりやすく書かれてるので詠み易かった。
一方で作者はまだ若い大学講師ということであるが、独善的にもならず、史実のみからわかりやすく仮説検証していくという手法は、読み応えもあり、今後の執筆活動に期待したい。